新規就農時に「苦労したこと」 第1位は、農地の確保



新規就農者が「就農時に苦労したこと」は何でしょうか


就農時に苦労したのは、「農地の確保」、「資金の確保」、「営農技術の習得」の割合が高い!

出典:全国新規就農相談センター「新規就農者の就農実態に関する調査結果(平成28年度)」(以下同じ。)就農に向けて苦労した点を第3位まで選択


就農時に苦労したこと(複数回答)

全国新規就農相談センター「新規就農者の就農実態に関する調査結果(平成28年度)」


就農時に苦労した点は、

「農地の確保」「資金の確保」「営農技術の習得」「住宅の確保」

の順に苦労したとする割合が高くなっています



中でも「農地の確保」「資金の確保」は、多くの人が苦労しています


第 3 位までに選択した割合が「農地の確保」は 71.6%、「資金の確保」は 71.2%

第1位に選択した割合も、「農地の確保」が 30.9%、「資金の確保」が 27.0%と大きな差はないようです

目次

農地の確保 は大変!!

第1位「土地条件が悪かった」第2位「面積が思うように集まらなかった」

「就農するとき」と、「現在」農地の確保する際、どのようなことに苦労したか
 回答をまとめると以下のとおりになります


農地の確保における苦労の内容

項目
就農時現在
土地条件が悪かった
(傾斜地や不整形地、接道がない、水利が悪い、多礫・多石等で土壌状態が悪い等)
53.4%55.6%
面積が思うように集まらなかった41.9%29.9%
一カ所にまとまらず分散していた40.1%45.5%
住居から遠い場所だった26.4%21.5%
希望した地域で農地を見つけることができなかった24.1%21.5%
農地の賃借料が高かった8.8%12.1%
農地の価格が高かった4.1%4.5%
その他22.9%19.8%
出典:全国新規就農相談センター『新規参入者の経営資源の確保に関する調査』
出典:全国新規就農相談センター『新規参入者の経営資源の確保に関する調査』


就農時に、土地の確保で苦労した点は、

「土地条件が悪かった」「面積が思うように集まらなかった」

「一ヶ所にまとまらず分散していた」 
              が上位



「土地条件が悪かった」「一ヶ所にまとまらず分散していた」は、

          
 就農時より、現在の方が苦労しているとの回答割合が高くなっています


逆に、「面積が思うように集まらなかった」は、就農時の方が、苦労したと回答




面積の確保については、就農して実績や信用を獲得することから、就農時より確保の困難度が下がるようです


一方で、「土地条件が悪かった」「一ヶ所にまとまらず分散していた」という点については、


農家の方も土地条件の悪いものから手放すこと、

とまった農地が一回で手放されること      などが影響しているのでしょうか 

 

 

土地条件の悪さ」「土地の分散」は 

 農業を続けていく際に、収穫やコストに影響するため、ボトルネックになる

 

 とはいっても、新規就農者は、見つけた農地の中で、そこを確保するか判断するしかありません

 師事する農家の人などに相談しながら、決めていくことになると思います

就農時に困ったこと(自由意見)

・地主さんとの接点が少なく、農地があっても借りることができない

・「農地を確保」するだけなら「苦労」はしないが、「良好な農地」を確保するのが大変であった

 また、「良好な農地」であっても、高齢者が離農後、引き受け手が見つからず、農地が荒れてから、新規参入(希望)者に話が来る

・耕作放棄地だったため、現状復帰工事にお金がかかった

・地域の住民から受け入れられるのに時間と労力がかかった

・空いている農地やハウスの情報をなかなか得られなかった

・もともと地元に住んでいないので信用がすぐに得られず、賃借期間が短い契約となってしまう

・放棄されたゴミ(ポリマルチや空き缶など)を片付けないといけなかった

・耕作放棄地を数年かけてようやく作付けできるようにしたが突然返却を求められた

・農地所有者の住所が遠隔地(他県)であったり、故人であったり、不明であったため、権利設定が困難であった


現在、困っていることは(自由意見)


・畑の面積が小さい(1 反以下)ものは出てくるが、大きい面積のものがなかなかない

・借地の話は来るが、耕作放棄地が中心である

・無償で借りている農地を返してほしいと言われ、近くで他に借りることが出来る農地がないか探している

・就農当初住んだ借家を 1 年経たずに出て行ってほしいと言われた

・長年、使用した農地を返還しなくてはいけなくなった

・無農薬のため、近隣から農薬が飛散してこない条件の土地がない

・農事組合法人が地域の多くの農地を借りていて、新規参入者が個人で借りられる農地が少ない

・借りたいタイミング、買いたいタイミング、希望の農地が取得できない

・地権者に利用権を設定してもらえない

・当該農地の名義人が既に亡くなっており、その権限者が複数人いるため、利用権の設定ができない(農業委員会を通した正式な賃貸借契約を結ぶことができない)

・農地所有者の住所が遠隔地(他県)だったり、農地所有者が故人や不明だったりする

・地域で中間管理機構に土地を出していることで、所有者との話し合いだけでなく、自治会を通す必要があり面倒。また、理解を得られないと管理できない

・希望する立地と規模の園地が見つからない

・悪条件の農地(水回り、住宅が近い、前使用者のゴミなど、収益性が見込めない場所)を新規の方に割り当てられている

・耕作放棄地ばかりで、条件の良い農地は新規就農者には話がこない

・獣害等が新たに起こるようになった

・周辺が耕作放棄地だらけで病害虫防除に苦労している

・現在借りている圃場が急傾斜地のため、平場に移りたいが、平場でまとまった面積というのは滅多にない

・空農地が出てもまずはベテラン農家に先に話がいくようになっている


さいごに

就農時と現在、困っていることの自由意見がとても、リアルな内容だなと感じました

じーも

なかには、本当に理不尽な内容も、、、

その地域でやっていく以上、我慢するしかないのでしょう、、、か  

統計調査結果は、就農者から聞き取りした情報ですので、それなりの確度がある情報です

内容的に、新規就農者が対処できることばかりではありませんが、心に留めておくといいと思いました

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