中央値について 改めて
新規参入者の所得を見るときに、平均値と中央値とあったけれど、中央値ってなに? という人への説明です
新規参入者の農業所得額
109 万円 平均値
60 万円 中央値
※出典:一般社団法人全国農業会議所 全国新規就農相談 センター
新規就農者の就農実態に関する調査結果(平成28年度)
就農してから概ね10 年以内(就農時点が2006 年1 月以降)の新規就農者の中で
新規参入者全体の値
中央値ってなに?
仮にAからEのサラリーマンがいるとします
この人たちの5人の平均年収を まずは 考えてみましょう
A | B | C | D | E |
250 | 300 | 430 | 500 | 600 |
5人の平均年収は
( A + B + C + D + E )/ 5
=( 250 + 300 + 430 + 500 + 600 ) / 5 = 416 万円
となります
では、Eが、仮に 600 万円ではなく
1,200 万円 のときはどうなるでしょう
A | B | C | D | E |
250 | 300 | 430 | 500 | 1200 |
( 250 + 300 + 350 + 500 + 1200) / 5 = 536 万円
このように 年収の中で 一つだけ「1200」と 大きく外れた値があると
平均年収は大きく変化(上振れ)することになります
外れ値に左右されず 真ん中の数値を求める方法として 中央値というものがあります
A | B | C | D | E |
250 | 300 | 430 | 500 | 1200 |
中央値とは
全ての数字の中の真ん中の数字のことです
上の表では 430 万円 となります
年収の実態を把握するのは平均より中央値
厚生労働省の国民生活基礎調査の2019年の結果によると 所得金額の分布は以下のとおりとなっています
所得金額階級別世帯数の相対度数分布
世帯年収の割合がもっとも多いのが 「200〜300万円未満」 で 13.6%
そこから順に
「300~400 万円未満」 12.8%
「100~200 万円未満」 12.6% となっています
一方で 「2000万円以上」という人も 1.2% 存在しています
その結果 平均所得で見ると 552万3千円 となります
しかし よくみてみると
世帯所得が500万円未満の割合は、全体の 55.9% つまり 全世帯の半分を超えているではないですか!
平均所得 552万3千円 に達していない世帯数が 半分以上いることに
これは 高額所得者に平均値が引きづられた結果になります
では 中央値を見てみると
中央値は 437万円
なんとなく、一般的な感覚に近い数値ではないでしょうか?
数字の根拠をしっかり追わないと
数字に惑わされることがなります
新規就農時 平均所得 100万円 中央値では 60万円程度
『 平均 』 と 『 中央値 』
そこもおさえる必要がありますね
以上 「中央値ってなに?」という話題でした