公務員から、農家への転職を検討するに当たり、収入がどのように変化するか、気になります
漠然とした不安を少しでも軽減するため、公務員と農家の収入(所得)を比較してみます
公務員と農家の収入(所得)の比較
地方公務員は、地方自治体から給与をもらって働くいわゆるサラリーマン
農家は、自営業又は農業法人に従事する社員(サラリーマン)
となります
国などが公表しているデータから両者の違いをひもといてみます
前回、地方公務員の給与について整理しました
下記の記事をご覧ください
今回は、農家の所得について調査します!!
農家の所得は、どのくらい?
国の調査結果によると、全国の農業の経営収支は、以下のとおりになっています
全農業経営体の農業経営収支(全国・全営農類型平均・1経営体当たり) 123.3万円
主業経営体の農業経営収支(全国・全営農類型平均・1経営体当たり) 415.4万円
出典:農業経営統計調査 令和2年 農業経営体の経営収支
農業経営収支(全国・1経営体あたり)
単位:万円 | ||
区分 | 全営農類型平均 | 主業経営体 |
農業粗収益 (A) | 992.3 | 1,993.6 |
うち作物収入 | 539.8 | 1,266.6 |
畜産収入 | 331.9 | 501.5 |
共済・補助金等受取金 | 94.4 | 193.2 |
農業経営費 (B) | 869.0 | 1,578.2 |
うち雇人費 | 91.8 | 96.0 |
飼料費 | 132.8 | 77.7 |
荷造運賃手数料 | 87.5 | 221.9 |
減価償却費 | 107.3 | 200.1 |
農業所得 (A-B) | 123.3 | 415.4 |
経営耕地面積 (a) | 353.3 | 667.9 |
主業経営体とは、農業所得が主で、自営農業に60日以上従事している65歳未満の者がいる個人経営体のこと
露地野菜作の経営収支(全国)
露地野菜作(全国)に営農類型を限定すると、個人経営体では 163.1万円となっています
単位:千円 | ||
区分 | 個人経営体 | 法人経営体 |
農業粗収益 (A) | 9,513 | 58,762 |
うち作物収入 | 8,687 | 51,853 |
うち稲作 | 525 | 1,663 |
露地野菜 | 7,112 | 44,908 |
施設野菜 | 536 | 3,345 |
畜産収入 | 28 | – |
農作業受託収入 | 34 | 547 |
共済・補助金等受取金 | 650 | 5,379 |
農業経営費 (B) | 7,337 | 61,316 |
うち租税公課 | 283 | 1,153 |
種苗費 | 423 | 2,464 |
もと畜費 | 3 | – |
肥料費 | 632 | 3,726 |
飼料費 | 4 | – |
農薬衛生費 | 469 | 2,799 |
諸材料費 | 513 | 2,673 |
動力光熱費 | 386 | 1,869 |
農具費 | 116 | 371 |
荷造運賃手数料 | 1,631 | 6,744 |
修繕費 | 433 | 2,057 |
減価償却費 | 843 | 4,365 |
雇人費 | 595 | 23,015 |
利子割引料 | 16 | 241 |
地代・賃借料 | 304 | 4,322 |
農業所得 (A-B) | 2,176 | ▲2,554 |
農業従事者数(人) | 4.27 | 15.18 |
露地野菜作の作付延べ面積(a) | 138.0 | 1,109.2 |
自営農業労働時間(時間) | 3,736 | 15,523 |
上記の統計情報は、全国の数値となります
私が目指している埼玉県の農家はどのような実態なのか、すぐに統計等の情報を見つけることはできませんでした
さらに調査していきたいと思います
民間の給与は?
民間給与所得者の給与額
国税庁の令和2年分の給与実態統計調査結果によると、民間の給与所得者の平均給与は、 433万円 となっています
単純に比較すると、給与所得者の方が、農業従事者よりも多い収入を得ていることになります
ちょっと待って! 収入と所得の違い!!
「収入」と「所得」の違い、わかりますか
簡単に言いますと、下記のように整理ができます
収入:前年中(1月1日から12月31日)に受け取った合計金額
所得:収入から収入を得るために支払った費用を控除した後の額
農家についていえば、農業粗収益が「収入」で、その収入から農業経営費を差し引いた残りが「所得」となります
サラリーマンのような給与所得者については、明らかな必要経費というものはありません
給与等の「収入」に応じて、一定割合を所得から控除することが認められており、その額を差し引いたものが「所得」となります