公務員から、農家への転職を検討するに当たり、収入がどのように変化するか、気になります
漠然とした不安を少しでも軽減するため、公務員と農家の収入(所得)を比較してみます
公務員と農家の収入(所得)の比較
地方公務員は、地方自治体から給与をもらって働くいわゆるサラリーマン
農家は、自営業又は農業法人に従事する社員(サラリーマン)
となります
国などが公表しているデータから両者の違いをひもといてみます
今回は、地方公務員の給与についてです!!
地方公務員の収入
地方公務員の給与は、どのように決まるか、ご存知ですか
民間のサラリーマンの給与は、春闘などによって賃金確定闘争が行われ、決定しています
それに対して、公務員は、地位の特殊性や職務の公共性を考慮し、労働法上の団体交渉等により給与や勤務時間などを決定することが認められていません
しかし、使用者側が一方的に給与を決定できてしまうのでは、労働者は不利になってしまいます
そこで、その代償措置の一つとして人事委員会勧告制度というものが設けられています
人事委員会とは
人事委員会は、使用者側にも労働者側にも与しない公正・中立な第三者機関として、職員の給与その他の勤務条件が社会一般の情勢に適応するよう講ずべき措置について 議会及び首長に勧告できることになっています
地方公務員法
(情勢適応の原則)
第14条 地方公共団体は、この法律に基いて定められた給与、勤務時間その他の勤務条件が社会一般の情勢に適応する
ように、随時、適当な措置を講じなければならない。
具体的には、都道府県、市町村にある人事委員会が、毎年4月時点で、公務員と民間従業員の給与比較を行い、較差が生じているならば、それを解消するために勧告を行います
首長は、この勧告を尊重して、給与条例の改正等を行うことになります
人事委員会は、全部の自治体にあるわけではありません
規模が小さい自治体については、公平委員会の設置でかまいませんという規定があります
公平委員会は、人事委員会より職務権限が小さい組織です
各市町村は、いわゆる民間との比較結果と、国の給与制度との均衡も考慮した給与の改定を行わなければならないことになっています
自治体の給与(埼玉県、県内の市)
では、各自治体の給与はどのようになっているでしょうか
地方自治体のホームページで公開されていますので、職員の収入を見ていきたいと思います
地方自治体の平均給与
表から読み取れること
上の表を見ると、政令指定都市のさいたま市の平均年収が、最も高くなっています
さいたま市が、県内2位の志木市よりも平均年齢が2歳近く低いにもかかわらず、県内1位なのは、地域手当(注)の支給割合が高いことや時間外勤務手当が県内でもっとも多かったことなどが影響してるようです
公務員は、基本的に真面目に働ければ、給料月額が毎年上がっていく仕組みです
平均年齢が高いということは、給料月額も高いことになります
(注)
地域手当とは、地域の民間賃金水準を公務員給与に適正に反映するよう、物価等も踏まえつつ、主に民間賃金の高い地域に勤務する職員の給与水準の調整を図るために支給される手当です
地域手当「(給料月額+給料の特別調整額+扶養手当)×支給割合」
自治体によって、物価が異なるため、地域手当の支給割合が異なっています
たとえば 埼玉県と市の支給割合は
- さいたま市:15%
- 和光市:15%
- 蕨市:13%
- 戸田市:10%
- 川口市:9%
- 埼玉県:8.3%
となっています
もっとも高い地方自治体は?
都道府県を除き、区市町村合わせて、もっとも平均年収が高いのは、東京都の武蔵野市です(令和2年調査結果)
地域手当が16%、平均の時間外勤務手当がさいたま市よりも多いことなども影響していると思われます
今度は、農家の収入についても調べてみたいと思います