公務員を辞めて、農家になる。言うのは簡単ですが、冷静な分析も必要だと思います。
このまま公務員でいる場合と、就農して農家になる場合の比較を行ってみることにしました。
就農については、農業技術の経験を積んだ後、いきなり自営で農家になるのではなく、農業法人に就職するという手もあると思います。(農業法人への就職についても、今後調査します)
公務員、会社員(雇用就農)、自営業(自営就農)について、情報収集し、比較してみました。
自営就農、雇用就農、公務員の社会保険関係の比較
広義の社会保険には、大きく 医療保険、雇用保険、労災保険、介護保険、公的年金があると思います。(上記の表参照)
医療保険
自営就農の場合は、各市町村の国民健康保険、雇用就農の場合は、組合健保又は協会けんぽ、地方公務員の場合は、地方公務員共済に加入します。
国民健康保険は、全額が自己負担になり、さらに家族の保険料も負担する必要があります。また、ケガをした際に支給される傷病手当金等も支給されません。この点が、雇用就農や公務員と大きな違いです。
雇用保険・労災保険
自営就農の場合は。雇用保険・労災保険が対象となりません。
介護保険
介護保険については、同じ制度の適用となります。
自営就農、雇用就農、公務員いずれも同じ、保険料、サービス内容になります。※居住地により、保険料や提供されるサービス内容が異なることはあります。
公的年金
公的年金は、雇用形態によって、大きな差が出るところです。まずは、下の図をみてください。
2015年(平成27年)10月に被用者の年金一元化がなされ、これまで厚生年金と共済年金に分かれていた被用者の年金制度が厚生年金に統一されました。
これにより、公務員の3階部分に当たる職域部分は廃止、年金払い退職給付という新しい制度が創設されました。
自営の場合は、妻や20歳以上の家族も国民年金に加入することになります。国民年金に扶養の概念がないためです。
厚生年金、共済組合に加入している民間サラリーマンや公務員等(第2号被保険者)に扶養される配偶者は、第3号被保険者となります。
この第3号被保険者は、保険料を自分で納める必要はなく、配偶者が加入している厚生年金や共済組合が一括負担し、基礎年金を受給できます。
厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和元年度)によると
埼玉県 厚生年金平均月額 157,019円
国民年金平均月額 55,509円 となっています。